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多種多様に日々徒然 小言だったり小説一部だったり、 コメントはお好きにどうぞ
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紅葉色の林檎

約束を、したわけじゃないけれど。



彼女は笑って『綺麗だね』空を仰ぎ見ながらステップした。そんな景色を今でも覚えたまま。小さい頃の懐かしい思い出。赤と黄色の絨毯の上を、柔らかい掌を握って駆け出した。今思えば、とてつもなく単純に喜べた。俺もあいつも。今はもうそれほど感動を覚えることなんてないと思う。それでもふと、この場所が浮かんだのはきっと、あの時少女だった彼女が、とても嬉しそうに笑ったから、そんな単純な理由。


『あいつは?』
覗き込んだあいつの教室。今日の部活は監督の事情で急遽休みになった。だから、早々に帰れると思い呼びに来た。しかしそこにあいつの姿は無かった。窓際のあいつの席は空席になっていて横にかけているはずの鞄も見当たらない。
前の席の栄口があれ、と俺に気付いて声を上げた。なんでいるの?と聊か失礼な言い方だと思いながら今はそんなこと気にならなかった。「は?」意味が分からないと顰めればおかしいな、そんな栄口の呟きが聞こえた。

『大分前に帰ったよ?』
『え、』

『うちのクラス、担任出張だから6時限自習だったんだよ。』
教師来たら適当に誤魔化してって帰ったよ。「てっきり、俺泉とサボりに行ったのかと思ってたんだけど。」違ったみたいだね、苦笑した栄口の言葉に、俺は言葉を失くす。

俺は何も聞いてなかった。確かに一緒に帰るからと言ってわざわざメールすることも無い。合わせたかのように俺達は一緒に帰ることが『当然』だと思ってるからだ。別に約束したわけではないから謝りのメールをいれなくても良いと思っているのに、一緒に帰れないときはメールするのが当たり前になっていた。だからあいつが俺に何も言わずに帰ることが信じられない。可笑しな感情がめぐる。

チャリを全速力で漕いで家に戻る。いるのはお袋だけあいつの姿はない。息を切らせた俺の姿を見たお袋が、あいつの名前を呼んで一緒じゃないの?と聞いてきた。違うと言ったらそーなの、と珍しそうに呟いた。
お袋の声も無視して俺は元来た道を走り出す。学校には居ない、靴が無かった。家には居ない、郵便がそのままだ。合鍵を使って中に入ってみても、やっぱり居なかった。
朝は普通だった。普通に俺の家で朝飯食ってチャリで登校。部活やって授業受けて昼食って。何があった?
 
 

小さな公園だった。
住宅街のど真ん中にあって小さな土地に無理やり作られた公園に、
遊具は殆ど存在しなかった。
小さな滑り台やブランコ、砂場、
その程度の公園は専ら近所の主婦の井戸端と化していて、
そこに母親につれられて小さな子供が遊びに来る。
唯一の自慢なのはその見事な並木道。
春は桜、秋は楓や銀杏の紅葉。
公園をぐるっと取り囲むその並木は、
春は花見に、秋は紅葉狩りのスポットとして地域では有名だった。
公園の中央に置かれた一つのベンチから見る風景は
昔俺とあいつが子供心に綺麗だと感動した場所。
 
 
 

紅く色付きした葉一枚一枚が風に揺れる。
隣り合った葉に当たり、小さな音を立てた、
木一本、並木一列、
集まった音たちは盛大に歌い合う。
重力と風に従って落ちてきた葉が一枚、
また地面を赤に染めた。
見渡す限りの紅葉。
渇いた地面に渇いた紅葉が落ちてカサリと音を立てた。
5時にもなれば日は傾いて一面が真っ赤な夕日に染められる。
黄色の銀杏がオレンジに、紅い紅葉は更に赤く。
燃えるように焔の色。
見渡す限りの赤一色。

 
携帯を鳴らしても一向に繋がらない。
呼び出してはいるのにあいつは出る気配もない。
視界の端に見えて来たそこ一帯だけの“赤”。
季節良く綺麗に色付いた紅葉。
空を染めていく夕日。
独りでいるには絶好の風景だ。
チャリを漕ぐ。
漕げば漕ぐほど、視界に入ってくる赤の領域は増えていく。
けれど、一向に近づいた気がしない。
錯覚だったとしても、気分は遠い。
それでも分かる。
あいつは必ずあそこにいる。
阿部あたりに言えば鼻で笑われそうなただの勘。
見えてきた入り口。
 


 

子供達は居ない、しんとした場所。
ばいばい、またね、
そういって母親と共に笑顔で手を振って分かれた近所の子たち。
懐かしいな、呟いた声は誰も聞いてないことを祈った。
あの時はそれは見事な紅葉の並木道。
今と同じように微かな風に揺れて
地面にひらひらと落ちていく紅葉が一枚二枚。
音の小さな静かな世界。
ああ、けどそれももう終わりだな、
逸る感情が素直に教えてくれる、来訪の時。
見付かったか、呟けば聞こえてきた遠い鈴の音。



占有権を主張する落ちた紅葉が、
俺が動くたびに巻き起こる風にふわりと浮いた。
そんなことに眼もくれず、それらしい影を見つけて走り出した俺。
やっぱりここにいた、石畳を走る。
高い音が少しだけ響いて消えた。
入り口に背を向けて、
公園の真ん中に存在する木のベンチに腰掛ける人物。
じっと、空を見て微動だにしない。 


 

聞こえてくる一歩一歩の足音に、
アタシは小さく見えないように悟られないように笑った。
そして感じる聊かな優越感と自己嫌悪。
眼一杯探しただろう彼は切れ切れと呼吸を繰り返す。
静かなその公園にその音だけ微かに聞こえた。

 

「   」
 



俺が来たのに気付いているのか否か、
視線を逸らすことなくただじっと前を向く。
何があったかは分からないけど、
きっと独りでいたいからここにいるんだ、
そう思えば今の俺は邪魔な存在。
それでも、
 

 

 

ぎしり、と後ろの隣り合ったベンチが揺れる。
微かな振動に彼が同じように座ったのが判った。
ちょうどアタシの真後ろに腰を降ろして
トン、と肩の辺りに彼の後頭部が当たる。
上を向いて小さく息を吐いて。

 

 

 

 

 

 

 

「泉。」

 

 


それから十分か、もしくは二十分か、
あいつはずっとそのままで、
漸く喋ったかと思えば俺の名前。
なに、終わった?と顔を見ず一切体勢を変えないまま俺は聞いた。

「泉、」
それでもあいつは俺の質問に答えることなく
また俺の名前を呼ぶ。
不思議に思って頭を上げてあいつを見ようと後ろを見ようとして、
邪魔された。

「孝介」
俺の首にぎゅっと抱きついて頭を埋めている。
背後から抱きついてきた。

 

「なに、どーした?」

 


動けないことを諦めて、ふぅ、いきを吐いた俺はそっと聞く。

 

 

 

 

「秋、だから」
「は?」

 

 

 

 

 


「うん、ごめん」

会話の成り立たない言葉のやり取り。
赤く染まっていた空はいつのまにか暗く、黒が落ちる。
いい加減帰らなければ、お袋が大騒ぎする。
それでも、もう少しだけ、


そう思うのはきっと俺だけじゃない

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うーん、

最近良く読んでるのは、『戦國ストレイズ』と『学園黙示録 HIGH SCHOOL OF THE DEAD』って漫画。知ってる人がいたら嬉しいな。絵が綺麗な作品の中でも、特にお気に入り。内容も面白いしね。


しっかしアレだね、仕事って疲れるね。もー漫画とネットだけが癒しです。
(あれ、引きこもり海道まっしぐら?)
口うるさいおばさん、ってドラマみてぇだよ、全く。


すんません少しぐちりました。
 




実は、この日記に乗せてるログの設定が知りたいと問い合わせがあったりします。
結構読んでいてくれて嬉しい限りだ、が・・・どうなんだろう。おお振り夢は近いうちにちゃんとした形で長編にしますけどね。つーかします。準備はしてます。
(いや、その前に笛のをさっさと進めろよ)
って脳内突っ込みしてますが、まぁ、
気分で。

んじゃまぁ、読みたい方はNEXTからどーぞ。

[NEXT]
たった一つの存在理由

泣きたくなった
大きな声で、この大空に向かって。

精一杯の大声で、ここにいるよと叫びたくなった。
そしたら君は気付いてくれるだろうか。
私はここにいるよ、って泣いたら、
君は私に気付いてくれるだろうか。

スカイブルーを彩る白い雲が
眼に見えるほどの速度で流れる

たった一人、茶色のグランドのど真ん中で、
空を仰ぎ見ながら、一人涙する私は、
小さい、チイサイヨ。
私はこんなに小さな人間なんだ。
だから、助けてくれなくていいから、
だから、気にしなくて良いから、
どうか覚えているだけでいいから。

私の存在を否定しないでください。
私はここに居ます。
小さくても、ちっぽけな存在でも
私はこの世界に生きています。
それを否定しないでください。

 


大空の下、
茶色のグランドの上で、
夏の終わるその日

 

私は一人、空に圧倒されて泣き出した。


あ あ 、 夏 が 終 わ る ん だ

鹿肉って美味いですか?  (美味いらしいです)

今日は小説書かずに普通の日記。
小話をお一つ。

 

♪~ー♪ーー
『はーい、どしたー?帰れるかー?』
「どーしよ、かーさん。」
『んー?』
「俺、鹿と眼が合った!!つーか今目の前!!どーしよ?」
『あー、秋だからね。』
「ちょっ、待て!!それだけ?鹿と一対一で対峙した娘はどーでもいーの!?」
『大人しくしてれば問題ないっしょ、鹿は。んじゃ寝るから早く帰って来いよー。あ、鍵かけて寝てなー。」
ぶちッ    ツー ツー ツー・・・・(エンドレス)


「!!」

 

K I R A R E T A Y O ? ? ?

 

 

昨日のことです。
仕事で遅くなった帰り道、鹿とばったり、
あれ、ここ何処だ?山か?山だな。
いや、そーでなくて。そーじゃないの。


ボクが思ったことがまず第一に
「熊じゃなくて良かった」

って、どーなのさ、それ!!
どんだけ田舎?どこまで田舎?

 

 

 

 

 

 

 

 


良く来る軽いお問い合わせに、答えてみちゃったりなんかした。

Q.女ですか?
A.女です。

Q.何歳ですか?
A.プライベートは秘密です。

Q.何歳ですか?(二度目)
A.・・・・・・・・・

Q.三十路前ですか?(同一人物)
A.(かなりショック・・・)

 

 

 

え、何これ?
とか思ってたら、オフでの同人仲間だったよ、コンチクショー!!
お前、知ってるじゃん!!同じ年じゃん!!

どうやらサイト開いたのは教えたくせに、アドレス教えなかったことに腹を立てて、探したようです。文章見ただけで判るって、愛だね。

『んなわけねーだろ、お前の趣味見てたら判るつーの。設定とか似たり寄ったりだし。』

おキツイ言葉でした。
 

たった一度の17歳

『 紅條 遡羅 』ヒロイン
『 伊崎 結衣 』主人公
『 坂下 優希 』同中男子

 

逃げて逃げて逃げて
でも結局逃げられない。
敵わないと知っていても
それでも逃げるだなんて出来なくて
馬鹿な自分

[17歳の逃げ場所]
笑わないピエロの空中ショー

第一印象って、当てにならないね。
いきなり何を言い出すんだ、この男は。
騒がしい教室内が一瞬で静かになる。
まぁ、アタシ達のところだけだったんだけど。


嫌いだと言いながら
それでも笑い合って共に居る

 

 


「なに、いきなり?熱でもあんの?」
「無い無い。平熱だし、正常だよ。」
ああ、そう。何事と思いながらパックのジュースを一口。
栄口は時々、天然だと思う。なにが、どーと言うわけじゃないけれど、『綺麗だよね』と素で言ってくるあたり、田島や三橋とは又違った天然と言うか、寧ろあの二人より頭が言い分厄介と言うか。

「『外人だ』って思ったんだよね、初めてみたとき。」
「アタシのこと?」
「うん。」
「そーゆう差別、嫌いだからやったらぶっ飛ばすぞー。」
「うわ、恐ぇ」


渇いたような笑い声で、栄口はノートにペンを走らせる。英語の課題はまだ終わりそうに無い。
「まー、でも面と向かって『外人』って言われたのは二回目だなー。」
「え、誰?田島?」
「泉。」
「え、」

泉が?と呟いて栄口の手が止まる。『手、止まってるよ』と声をかければ、ああ!!と慌てた。昼休み終わるまであと10分弱。
「ちょっと信じらんないかも。だってずっと一緒だったんだろ?」
それこそ生まれた時から。そういう意味合いを含まれているのは知っていたけど、うんハズレ。
「残念、アタシと泉。小1の夏。」
「へー、じゃあ、どうだったの?」
「泉と、ってこと?」
「うん。」

 

 

「『うわ、外人』」

 


「へ?」
「って、呟かれた。しかもまん前で!!だからアタシも『女の子』って言ってやった。いやー、当時の泉少し髪長くてマジで可愛いのなんのって!!」
「ぶっ、  」
「今度、写真持ってくる。泉に内緒ね。」
「うっわ、すげー楽しみ!!」

きっと家にあるアルバムを漁れば出てくるであろう、昔の写真。久々に見直してみようかと思う。

「結局さ、その後、殴り合いの大喧嘩。初対面最悪。母親二人揃って大笑いしてるしね、弟はマジビビッて泣いてんの。いやー懐かしい。」

うわ、とか栄口が言ってるけど無視。本当に懐かしい最初の出会いだ。
母親に呼ばれて部屋から出てきた、泉と兄。青み掛かった大きな眼。実際始めてみたときは女の子だと思っていた。男と聞いて驚いたくらいだ。
「けど、泉って凄いね。」
「んー?」
「俺だったら、きっと会った瞬間に喧嘩できないよ。」
臆病だから、さ。少し苦い顔で笑いながら栄口は止まっていた手を進めた。

 

「アタシさー、」
「なに?」
「栄口のこと、苦手だわ。」
「ホント素直だよねー。」
そーいうとこ、羨ましいよね、ホント。笑った顔が、少し寂しい。それはどこか友人に似ていた。そーいうことですか、思い立ては答えは結構簡単で、この場合、喜ぶべきか、それとも悲しむべきか。

 


「アタシは泉のもんだよ?」
「知ってるよ。」

 

笑い合って泣きあって
親友だと思っていた君と僕は
背を向けて歩き出した

嘘吐きピエロのマジックショー

凄いね、そう言われた。
なんで、って聞いたらそいつは少し悩んで、やっぱり泉は凄いんだよ。
そう言って笑った。
俺は、その男が嫌いだ。

 

嫌いだ嫌いと言いながらそれでも豪語する
間抜けで馬鹿な俺は一つ溜息をついて落ち着いた

 

 


「泉は凄いと思うよ。」
「いきなりなんだよ。」
「んー、勘?」
栄口は時々恐ろしく天然だ、天然だからこそ恐ろしいと言うことを、俺は田島と長なじみで酷く理解できている。からできるなら今の状態のこいつに関わりあいたくない。

「だってさ、野球上手いし、面倒見良いし、けど素直じゃなくて、でも幼馴染相手だとすげー嬉しそうで、なんていうんだっけ?こういうの、ツンデレ?」
「さ、栄口、どうした?熱?風邪??」
「いや、平熱正常問題なしだよ。」
「問題ありだろ!!」

 

とにかく、と言って話を再会させる栄口。部室の奥のほうでは未だに田島相手に苦戦している花井と阿部。なにしてんだ、あいつら。つーかいつも一緒になって田島を止めてる栄口、いやお前だよお前。お前がこっち居てどーすんの?
「実際のとこ、あの子は凄く特殊だと思うんだよね、俺。」
「は?」
「初めて会った時、少なくとも俺はすげー吃驚した。」
「栄口?」

にっ、と笑いながら今はそーでもないんだけどさー、と続けた。異国の血が入っている幼馴染を思い浮かべてだよな、とは思う。『普通』が求められるこの日本で、『異なる』事は『特別』と大差ない。
「『わー、外人だ』そう思ったからね。んで、『俺なんかが話しかけていーのかな。』これね?結局話しかける前に大体の性格も判っちゃったし、なにより第一印象が『面白い』だからなー。」
「あいつに『外人』つーと怒るぜ?『そーゆう差別、嫌いだからやったらぶっ飛ばすから』とか言ってな。」
「あー、ごめん、それ体験済み。」
「遅かったかー。」

ハハ、と笑いながら、手元のノートに字を書き込む。勉強にはなってなかったけれど。
「それで判っちゃったよ。『その手の差別』を受けたことあるんだって。あ、別に俺も便乗してとかは思ってないよ。怖いなとかそれに似た感情は持っても仲間はずれになんてしようと思いもしなかったから。」
「だろーな。」
「んで、泉はどうだったわけって聞いた。」
「俺?」
「泉は最初会った時、どうだったの、って。」
「・・・・・・あいつに聞いたわけ?」
「うん。」

 

 

 

 

「あっさりと、『うわ、外人』って呟いたんだって?」
「・・・///」
「それで、泉への開口一発目が『女の子』だったって?」
「~~、のやろー・・・」
今思い出してもはっきり覚えてる。金色の髪。大きな緑色の目。クラスで見るような女子とは全く別物のそいつの姿。じっと自分を見て、視線を外さないその姿。紅くなる姿と心を隠すように思わず出た言葉。

「それで、お互い言い合った後に大喧嘩したってのも聞いたな~。」
「マジかよ・・・」
そんなところまで話すか?普通?つーか栄口もなんでこうも軽く言えるんだ?俺の思考はぶっ飛ぶように崩れていく。向こうでは田島相手の人数が倍に増えていた。
「だから、凄いな。って。」
「は?」
「人って、自分と違う人に対して一歩距離置きそうになるじゃん?けど泉は一歩引くどころか前に進もうとして大喧嘩したんでしょ?凄いよね。」

 


「・・・別に、すげーってことでもないと思うぜ?あのとき、喧嘩して泣いて、すげー悔しくて未だに未練たらしく覚えてんだ。もう二度と言わせねぇ、とか絶対『格好良い』って言わせるだとか。」
「そこで、出てくる向上心は田島並だよなー。うーん流石泉。」
「そう思って一晩寝て、起きたらリビングにあいつがいてさー。」
「は?普通にいたの?」
「居たんだって。おはよう、ってけろっとした顔で。両親が急に仕事入ったから預かるんだっつてた。けど俺にはどうでも良くてさ。頭にきてた俺はなんなんだって感じでさー。その後弟紹介されるわ、一緒に朝食取るわ。昼寝はするわ、でなんつーかもう怒る気もしなかった。」
「・・・・・・」


「けど、夜にさ。弟寝た後、ばったり廊下で会ったんだよ。ごめん、って顔真っ赤にして泣きそうな顔で。今でも覚えてんぜ、俺。」
「へぇ、」

『アタシの顔見て、逃げてかなかったの、君が始めてだったから嬉しくて』

俯いた顔の隙間から見えた真っ赤な顔。緑色の瞳が歪んで、恥ずかしそうに顔を染めて、あ、そっかと思い立ったガキの頃の記憶。

「その時思った。俺、こいつ好きなんだって。」
「///なんつーか、泉直球・・・」
「そしたらあいつも同じだつーんだから驚きだよなー。」
『アタシも、』そう言って嬉しそうに笑うあいつの顔を見て、嬉しくなった。きっと一生忘れない思い出の一つ。
「やっぱ泉、凄い。」
「は?」

「俺が泉の立場だったら、きっとそんなこと言えないからね。」
そう言ってにっこりといつもの笑顔で笑った栄口。その表情はどこか、友人に似ていた。あ、そっか。思い立てば簡単だ。


「あいつは俺のだぜ?」
「知ってるよ。」

 

きっと俺達は『嫌い』だと嘘を吐いて
笑い合って涙を流す

仕掛けの解かれたパズルハウス

「おーい、お前の姉貴呼んでんぞー。」
そう言われて振り返れば俺の名前を呼んで手を振ってる姉貴の姿。その横には当然のように孝介の姿。ホント、仲イー二人だよ。後ろのクラスメートが俺の姉貴がどーのこーの、頬を染めて会話しているのを視界の端に捕らえながら俺は二人に近付く。

 


逆さに回るカラクリ時計

 

「どーしたの?」
「帰り、教室で待ってなよ?」
「えー?」
「俺の兄貴が車で迎えに来るとかゆーんだよ、免許取ったから。」
孝介が呆れたように溜息をついた。あー、あの人そういや教習所通ってたって言ってたっけ。どんな車かなーとふらりと考えた。そして見せびらかしたいことも。
「たく、もう直ぐ二十歳なるつーのにガキみてぇ。」
「いーじゃん、そーゆーとこアタシ好きぃ。」

アハハと笑う姉貴。後ろではクラスメートがこそこそとこっちに注目しだす。野球部でそれなりに有名な孝介と、ソフト部で有名な姉貴。俺達が幼馴染だってのは学校中に知られてる。
だから時々、姉貴宛の物を渡されそうになったりする。男からだったりおんなからだったり。勿論俺と孝介で断固拒否してるのは姉貴には内緒。あーくそ見んなつーのに。
「授業、始まるぜー?」
「うわ、嘘?もう時間?」
「次、移動。」
「あー、理科?げー、南ティーウザイ。」

それは勿論孝介だって同じ気持ちなわけで姉貴が見てないときじっと俺の後ろのクラスメイトを睨んでいる。姉気も鈍感じゃないくせに、気付く気配もない。これで狙ってやってんなら大物だよなー姉貴。

「じゃーなー。」
「迎えに来るからなー。」
「おーい。」


ひらひらと手を振って教室に戻っていく二人。気付いてんのかな、仲良く会話してる姿を周りから見られてるって、しかもここは1年の階。先輩ってだけでも目立つのに、校内でも有名な女子生徒が普通にあるけるわけないのにさー。

「かー、やっぱお前の姉貴チョー美人。」
「なー、今度紹介してよ。寧ろ遊びに行かせて?」
「姉貴のことエロイ目で見る奴なんか絶対紹介しねー。」
「うわ、でたシスコン発言。」
「あーでもあのお姉さまだったらシスコンなりてぇ!!」
「つーか、マジで手出して怖い思いしてもしらねーかんな。」
「わーってるって、冗談じゃん、冗談。お前こえーもん。」
「そーそー、お姉さま似のその顔でマジ切れされた日にゃー、怖くてトイレいけねーって。」

あーあ、こいつら判ってない。俺はまだ優しいほうだってこと。もっと怖いのは姉貴のそばにずっといるってこと。本気か冗談か、なんてことあの男に関係ないって事。まぁいいか、とパックジュースを空にする。どうせ被害蒙るの俺じゃないしー、と席に座った。

「でもお前ん家には遊びに行く。ゼッテー行く。私服の先輩の姿みたい。」
「あー、俺も。」
「誰が呼ぶか。」
「「「えー??」」」

判ってない。わかってないなー、怖いのは俺じゃなくて孝介の方。判ってない。俺だって姉貴に下手な男が近付くの黙ってみてる奴じゃないってこと。判ってないんだよお前等。姉貴がそんじょそこらの奴じゃないってこと。

「きっとお前等再起不能なるよ」
「え、何?」
「なんでもねー。つーか別に来てもいーけど後悔すんなよー?」
「「「やっりー!!!」」」


まぁ、精々喜んでいろ。その後一気に潰れてしまえ。二度と姉貴に付きまとわないように、つーか俺等に関わらないよーに。半端な覚悟で俺等(つーかあの二人の仲)に入ってくる奴は思い知れば良い。

「姉貴が幸せなら俺は別に友達いらねーし。」

あーあ、楽しみだ。

※弟君は腹黒いです。
※そしてシスコンです。
※何より泉さんとヒロインの仲を半分応援してたりします。
※こういう処だけ母親にのAB型です。(別名排他的とも言う)
※ヒロインは一応社交的な父親似のO型です。
※弟君は泉属性。敵には容赦ありません。実は・・・





おまけ

「あー、いらっしゃい。友達か?」
「クラスメート。あれ孝兄は?」
「今から来るよ。ジュース?コーヒー?」
「普通にジュースでいーって。」

「なんだぁ?人多いし!!」
「ちーす、孝兄。姉貴とデート?」
「遅かったね、泉。」
「ワリッ、兄貴に捕まってた。」
「ありゃりゃ、まーいーけど。」
「いってらっしゃーい。」
「「いってきマース。」」

 


「あれ、お姉さまは?」
「姉貴ならデート。」
「「「え???」」」
「あ、孝兄から伝言『あいつに近付く奴は消す』だってさ、ってどーした?」
「・・・いやなーんか・・・」
「その、寒気が・・・」
「とてつもなく寒いなぁ、っとちなみに今の誰から伝言?」

「2-3の泉孝介。」
「「「!!!ッ」」」
「どったのー?」
「い、泉先輩とお姉さまの関係は?」
「あー、まぁ、夫婦って感じ。」
「それ、って付き合ってたりとかは?」
「まー両思いだけど付き合ってない。時間の問題だろーけど。つーか校内じゃ有名だぞー?知らなかったのか?」

「そっかー、・・・そーかー・・・」
「い、泉先輩が控えてたのか・・・」
「やっべー・・・」
「ちなみに俺、助けねーからな?自力で頑張れ?」
「「「なんで!?」」」

「アンサー、俺は姉貴と泉孝介の味方です。」
「「「!!!」」」
「安心しろって屍は拾ってやる。」

 

観客は絵画達

「息苦しくないの?」
そう言ったら向かいの席に座った孝兄は全然と、珍しく笑顔で答えた。なんだかムカつくから孝介、といつもは呼ばない名前で呼んだ。


の無い

 

「俺ねー。」
「なに?」
「孝介のこと嫌いだよ。」

昼を過ぎ人の少なくなった小さな喫茶店。姉貴はいま母さんに電話してる最中だろう。窓際の席で窓の外にいる姉貴を見てそう思いながら告げた。告げたあと、こっそりと孝介の顔をのぞきみる。案の定少し眼を見開いていた。は?と気の抜けた声が小さく聞こえたけど俺はそれを無視する。

「孝介、嫌い。」
「・・・あいつと同じ顔で言われっとなー。」
「アハハハ、」
ギシ、とソファの背もたれに寄り掛かりながら孝介はあーと声を出している。その間、俺はやっぱり姉貴から目を離す事はない。母さんと何を話してるかは知らないけど、始終笑顔。その顔が通行人の注目を浴びてるなんて思っても無いんだろうけど。

「で、なんで?」
「んー?あ、姉貴声掛けられそう!!」
「あんにゃろー・・・」
「孝介って素直ー。」


「って、話題変えよーとすんじゃねーよ。」
声掛けられてもねーじゃん。呆れながらジュースを一口。

「だって、孝介。俺から姉貴獲ったじゃん。」
「は?」
「孝介に会わなきゃ、俺はずっと姉貴といれたのにさ。」
「ば、っかじゃねーの?」
「俺は本気なんでーす。」


被っていた帽子を深く被って顔を見せないようにしながら呟く。俺だって馬鹿だと思うよ。思うけどさ。シスコン、孝介が小さく呟いた。

「あいつはブラコンだし、お前等ホント似たもの兄弟。」
「それ孝介に言われたくなーい。」
「俺はちっげーよ。」
「嘘だー。」

けどさー。そう言って言葉を続ければ、食べ掛けのホットサンドから手を離す。聞きたいことはいくらでもあった。どうして姉貴なの?とか姉貴がいーの?とか、

「、息苦しくないの?」
俺の告げた言葉に、孝介は一拍置いてから、
「すんげー、心地良い。」
姉貴をとても柔らかい表情で見ながら孝介が呟いた。あー、くそ。当てられただけじゃん俺。


「あいつが俺に依存してるよーに、俺だってあいつに依存してんぜ。お互い様だっつーの。俺等はそれでいーんだよ。」
「うっわ、すげームカつく!!」
「悔しがれ悔しがれ。」

なぁ、孝介。んー?氷だけになったジュースを置いて孝介がこちらを見る。

「姉貴と付き合ったりしねーの?」
「あー、」
俺に戻していた視線を避けるように姉貴に向ける。途中こちらに気付いた姉貴がにかっと女らしくなく歯を見せて笑う。

「まだかなー、って母さん言ってたよ?つーか、高校あがったら同棲させよかなーってさ。」
「・・おばさん・・・」
早いだろ、ぜってー、少し呆れたよーに呟きながら姉貴相手に手を振っていた。同棲自体はOKなんだ、と呟けば、まー男の夢?と笑った。

「あー、やっぱ孝介嫌いだ。」
「あー、そー。」
「そーゆうとこ姉貴ソックリ!!」
「お前もな。」
「けど違うんだよ、孝介は。」
「はぁ?」

「だって、姉貴泣くじゃん。」
なんだそれ、孝介が言った。だって泣くんだよ姉貴は。あんたの前だとさ。

 

「家族の誰にも泣くとこ見せないのにさ、孝介の前だと泣くんだよね。姉貴。」
だからすっげー羨ましい。そう言ったら孝介はごめん、と小さく言った。それが凄く悔しい。
「きっと姉貴、俺等がいなくなってもきっと、孝介の前でだけ泣くんだ。」
「、い「居なくなるとか不吉なこと言ってんな!!」
「「!!」」

「お前の勘当たんだからさー。」
言いかけた言葉は仁王立ちした姉貴の言葉に遮られる。バーカと小さく笑って言う。
「何の話してんのか分かんないし、実際泣かないかもしんなけど、居なくなったらすっごく悲しいんだよ。」

二度と言わないでよねー、と俺の頭を撫でながら孝介の隣に座る。あー、たく・・・
「「ん?」」
「好きだよ、大好きです。二人とも。」
「「知ってるよ。」」

敵わない。姉貴にも孝兄にも、きっと俺はずっとこの二人の『弟』なんだ。あー、悔しい。
「すき焼するから早く帰って来いって。」
「やっりー。」
「太るぞー孝兄ぃ。」
「俺は背でかくなりてーんだよ。」
「この中で一番小さいもんねー。」
「ぜってー抜かす。」
「「頑張ってー。」」

まぁ、いいかと思う俺はきっと二人に知られてるんだ。


※影で注目浴びてるのも露知らず。
※これに泉兄が入ったら凄いことになります。
※三人デート。弟君は殆ど傍観者。
※でも構う二人。実はブラコンヒロイン&泉。
 

今更ソートにチャレンジ。
って、ことで笛ソートやってみたら、
・・・・・・思ったとおりの答えに寧ろドッキリ。

01.笠井竹巳
01.横山平馬
01.設楽兵助
04.黒川柾輝
04.郭英士
06.李潤慶
07.山口圭介
08.功刀一
08.筧一弥
10.根岸靖人
11.三上亮
12.中西秀二
13.藤代誠二
14.椎名翼
15.風祭将
16.日生光宏
17.西園寺玲
17.若菜結人
19.真田一馬
20.佐藤成樹
21.杉原多紀
22.上原淳
23.須釜寿樹
24.渋沢克朗
24.吉田光徳
24.高山昭栄
27.近藤忍
28.小島有希
28.辰巳良平
28.井上直樹
28.畑五助
28.天城燎一
28.伊賀仁吉
28.桜庭雄一郎
28.谷口聖悟
28.内藤孝介
28.木田圭介
28.小堤健太郎
28.周防将大
40.不破大地
41.松下左右十
41.間宮茂
41.桐原総一郎
41.畑六助
41.小岩鉄平
41.潮見謙介
47.風祭功
48.水野竜也
49.マルコ=フェルナンド=ルイス
49.城光与志忠
49.阿部小太郎
49.おやっさん
53.鳴海貴志



同率1位三名。当然のように君臨していた。仕方ないよね、
そして最下位鳴海、あー、うん・・・・
ごめん?(何故謝る)
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