「おーい、お前の姉貴呼んでんぞー。」
そう言われて振り返れば俺の名前を呼んで手を振ってる姉貴の姿。その横には当然のように孝介の姿。ホント、仲イー二人だよ。後ろのクラスメートが俺の姉貴がどーのこーの、頬を染めて会話しているのを視界の端に捕らえながら俺は二人に近付く。
逆さに回るカラクリ時計
「どーしたの?」
「帰り、教室で待ってなよ?」
「えー?」
「俺の兄貴が車で迎えに来るとかゆーんだよ、免許取ったから。」
孝介が呆れたように溜息をついた。あー、あの人そういや教習所通ってたって言ってたっけ。どんな車かなーとふらりと考えた。そして見せびらかしたいことも。
「たく、もう直ぐ二十歳なるつーのにガキみてぇ。」
「いーじゃん、そーゆーとこアタシ好きぃ。」
アハハと笑う姉貴。後ろではクラスメートがこそこそとこっちに注目しだす。野球部でそれなりに有名な孝介と、ソフト部で有名な姉貴。俺達が幼馴染だってのは学校中に知られてる。
だから時々、姉貴宛の物を渡されそうになったりする。男からだったりおんなからだったり。勿論俺と孝介で断固拒否してるのは姉貴には内緒。あーくそ見んなつーのに。
「授業、始まるぜー?」
「うわ、嘘?もう時間?」
「次、移動。」
「あー、理科?げー、南ティーウザイ。」
それは勿論孝介だって同じ気持ちなわけで姉貴が見てないときじっと俺の後ろのクラスメイトを睨んでいる。姉気も鈍感じゃないくせに、気付く気配もない。これで狙ってやってんなら大物だよなー姉貴。
「じゃーなー。」
「迎えに来るからなー。」
「おーい。」
ひらひらと手を振って教室に戻っていく二人。気付いてんのかな、仲良く会話してる姿を周りから見られてるって、しかもここは1年の階。先輩ってだけでも目立つのに、校内でも有名な女子生徒が普通にあるけるわけないのにさー。
「かー、やっぱお前の姉貴チョー美人。」
「なー、今度紹介してよ。寧ろ遊びに行かせて?」
「姉貴のことエロイ目で見る奴なんか絶対紹介しねー。」
「うわ、でたシスコン発言。」
「あーでもあのお姉さまだったらシスコンなりてぇ!!」
「つーか、マジで手出して怖い思いしてもしらねーかんな。」
「わーってるって、冗談じゃん、冗談。お前こえーもん。」
「そーそー、お姉さま似のその顔でマジ切れされた日にゃー、怖くてトイレいけねーって。」
あーあ、こいつら判ってない。俺はまだ優しいほうだってこと。もっと怖いのは姉貴のそばにずっといるってこと。本気か冗談か、なんてことあの男に関係ないって事。まぁいいか、とパックジュースを空にする。どうせ被害蒙るの俺じゃないしー、と席に座った。
「でもお前ん家には遊びに行く。ゼッテー行く。私服の先輩の姿みたい。」
「あー、俺も。」
「誰が呼ぶか。」
「「「えー??」」」
判ってない。わかってないなー、怖いのは俺じゃなくて孝介の方。判ってない。俺だって姉貴に下手な男が近付くの黙ってみてる奴じゃないってこと。判ってないんだよお前等。姉貴がそんじょそこらの奴じゃないってこと。
「きっとお前等再起不能なるよ」
「え、何?」
「なんでもねー。つーか別に来てもいーけど後悔すんなよー?」
「「「やっりー!!!」」」
まぁ、精々喜んでいろ。その後一気に潰れてしまえ。二度と姉貴に付きまとわないように、つーか俺等に関わらないよーに。半端な覚悟で俺等(つーかあの二人の仲)に入ってくる奴は思い知れば良い。
「姉貴が幸せなら俺は別に友達いらねーし。」
あーあ、楽しみだ。
※弟君は腹黒いです。
※そしてシスコンです。
※何より泉さんとヒロインの仲を半分応援してたりします。
※こういう処だけ母親にのAB型です。(別名排他的とも言う)
※ヒロインは一応社交的な父親似のO型です。
※弟君は泉属性。敵には容赦ありません。実は・・・
おまけ
「あー、いらっしゃい。友達か?」
「クラスメート。あれ孝兄は?」
「今から来るよ。ジュース?コーヒー?」
「普通にジュースでいーって。」
「なんだぁ?人多いし!!」
「ちーす、孝兄。姉貴とデート?」
「遅かったね、泉。」
「ワリッ、兄貴に捕まってた。」
「ありゃりゃ、まーいーけど。」
「いってらっしゃーい。」
「「いってきマース。」」
「あれ、お姉さまは?」
「姉貴ならデート。」
「「「え???」」」
「あ、孝兄から伝言『あいつに近付く奴は消す』だってさ、ってどーした?」
「・・・いやなーんか・・・」
「その、寒気が・・・」
「とてつもなく寒いなぁ、っとちなみに今の誰から伝言?」
「2-3の泉孝介。」
「「「!!!ッ」」」
「どったのー?」
「い、泉先輩とお姉さまの関係は?」
「あー、まぁ、夫婦って感じ。」
「それ、って付き合ってたりとかは?」
「まー両思いだけど付き合ってない。時間の問題だろーけど。つーか校内じゃ有名だぞー?知らなかったのか?」
「そっかー、・・・そーかー・・・」
「い、泉先輩が控えてたのか・・・」
「やっべー・・・」
「ちなみに俺、助けねーからな?自力で頑張れ?」
「「「なんで!?」」」
「アンサー、俺は姉貴と泉孝介の味方です。」
「「「!!!」」」
「安心しろって屍は拾ってやる。」
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