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多種多様に日々徒然 小言だったり小説一部だったり、 コメントはお好きにどうぞ
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たった一度の17歳
いつもと違う風味で書いたのでワンクッション。
つーか単にヒロインの名前を入れただけ。
いつもだったら入れないんですけど、疲れたんで。名前入れないで文章成立させるの。
今回のはちょっとしたシリーズ物になる予定。
別の子視点。ちなみにらーぜが二年に進級した後の話。






真夏日のセブンティーン

「あづい・・・」
「あつ、い・・・」
「あっちー!!」
「・・・」
いつもと変わらない2年9組の昼休み。教室の真ん中で四つの机を合わせた即席大型机を囲むように項垂れている野球部。この暑さだ。ばてるのも分かる。現に私だって友達と話しながら「暑いねー」と言い合ってるところだ。
このクラスの野球部ははっきりいってスター揃いだ。(といっても三人しかいないけど。)おまけに顔をいいと豪語する友達。
エースピッチャーの三橋君。キョドってること多いけどそれが可愛いと意外に女子に人気。
4番サードでヒーローの田島君。スポーツに関しては名実共に人気が高い。スーパースター。
攻守バランスの良い泉君。女の子より可愛い顔でいて男前な性格で結構先輩にもてるらしい。
野球部じゃないけど応援団長の浜田、先輩。顔はいいのに馬鹿っぽい発言多い。でも人気は高い。

この四人は9組のメンバー。1年の時から仲がよくて一緒にいる。元々野球部は人数少なくて他の部活より仲良かったけど。大きな机をぐるっと囲むように田島君、泉君、浜田先輩、三橋君の順に座ってる。座る席は固定じゃない。じゃないけど必ず泉君の隣に空席が一つ。ここだけは誰も座らないし座らせない。泉君の隣に座るのはたった一人。
「おーい!!紅條。」
「おっせーよ!!」
「ごめん、担任に捕まってた。」
浜田先輩と田島君が扉の外に『彼女』を見つけて大きく手を振る。片手にコンビニ袋を手に、人を避けて野球部に近づいていく。途中、数人の男子に声を掛けられながら、彼女・紅條遡羅は当然のように泉君の隣の席に腰を下ろした。
「それ、なーに?」
「アイス。いらない?」
「「「「いる!!」」」」
机の上に置いたコンビニ袋を一斉に群がる。紅條さんの手には既にソーダ味のシャーベットアイス。その横で泉君がチョコアイスを手に取っていた。

「何、あんた、また野球部見てんの?」
「あー、あの子来てるじゃん。」
共に昼食を取っていたクラスの友人がちらりと除き見ながらお弁当に手を伸ばしていた。
「アタシあの子苦手。なんつーか高飛車そう。」
「見た目も派手だしねー。」

紅條さんはあまり女子に好かれることはない。あの容姿もその原因だし、普段から一匹狼。同じ女子と話してるとこなんて7組の篠岡さんくらい。普段は1組の野球部と行動してる。中学のときは泉君とばかりいたなぁ、と思い出す。
何を隠そう、私と紅條さん(あと泉君と浜田先輩)は同中出身。と言っても泉君と紅條さんは私のこと知らないと思う。家は正反対の方向だったしクラスも3年間違った。二人のことを知っていたのは、まぁ、その・・・
「あんたも嫌いでしょ?あの子?愛しの泉君にべったりだもんね。」
「ちょっ!!」

隠そう、って隠れてないけど、私の初恋は泉君だった。いや、だったって言うほど忘れてない。今でもそう。今でも好き。けど・・・

「それ、ソーダ?」
「うん、食べる?」
「食う。」

あんなことを日常的に目の前でやられれば、恋も砕けるというもの。食べ掛けのソーダアイスを泉君が手ごと引っ張って一口。うめぇと唇を舌で舐めながら笑顔。これ見てああ、と思わない奴はいない。
初恋は実らないなんて、誰だ言い出したのは。大当たりじゃないの。中学のとき、泉君を好きになったと自覚したその瞬間、失恋。言ってて悲しくなる。二人ともお互いを大切にしてるのが分かるから余計に。

お互い好きあってるのに、付き合わないあの二人を少し私は嫌いだった。

「(好きなのに、嫌いって・・・)」


「あ、いたいた。おーい。」
「おー、栄口。どったのー?」
1組の野球部員・栄口君がひょっこりと現れた。紅條さんの名前を呼んで、「用事あるって子連れてきた。」とドアの処を指差す。そこにいたのはおそらく1年の女子。手に抱えてるのは包装紙に包まれた、お菓子か何か。差し入れだと一発で分かる。
紅條さんはあの長身にあの顔。何より男っぽい性格のせいで後輩の女子によくもてる。ああやって差し入れを貰うのは珍しくない。
「もてるねー。」
「うっさい!!」

途中まで食べているアイスを片手に彼女が立ち上がって後輩に近づく。何か会話しながら手渡されたものはやっぱりお菓子のようだ。

「紅條、先輩  おか し  好きだって    んで」
「そ なの    がとう」
「これ  も  が  ばって  さい。」
「うん、みんなで  るね、これ。」

ところどころに聞こえる会話の端から応援の声に、にこっと綺麗に笑ってみせる紅條さん。違和感を感じたのはきっと私だけじゃないと思う。案の定、泉君は立ち上がって紅條さんのそばによる。「遡羅」声を掛けて笑いかける。「何?」と笑顔のまま振り向いた紅條さんがその顔を見て少し顔を引きつらせた。
「なに、菓子貰ったの?」
「うん、皆で食べてだってさ。」
「へーうまそーじゃん。」
「ありがとね。」
二人でにっこり微笑めばその子は顔を真っ赤にして頭を下げて走り去っていった。

「ソフトの試合出るよーなったら、もてんな。」
「止めて。同性にもてる趣味ないよ、アタシ」
棒に残ってたアイスを全部食べて、田島ぁーと紅條さんが声量を上げて田島君を呼んだ。
「なーにー?」
「これあげる。」
下から綺麗に円を描いて投げられたそのお菓子は田島君がキャッチする。「いーのー?」「いーよー。」という会話が端と端でされていた。

「お前等食べないのか?」
「「いらない。」」
付けられたリボンを取って中身を空けている三橋君と田島君の横で浜田先輩がいーのかよ、と苦笑する。それに泉君と揃って拒否する紅條さん。「どっか行くの~?」と言う声に、
「「部室でサボるから後宜しく。」」
そう言って二人揃ってにっこり笑って去っていった。
「「「「うわーー」」」」
残されれた野球部+1名は呆れたように肩を落とした。

「寝に行ったね、あれは。昼寝。」
「紅條、眠そうだったしテンション可笑しかったからねー。」
「いーなー・・・」
「う、うん。」

「俺さっき鍵出せって脅されたよ、泉に。」
「俺なんか食いもんかつあげされた。」
「俺はジュースだった。ジュース。」
「お、俺は、何、も・・・」
「三橋にはしないと思うよ。紅條、三橋には甘いし。」
「泉もな。」

「「「「うーん。」」」」

「メール回しとく?」
「立ち入り禁止令な。」
「邪魔したら泉がこぇーぞ。」
「次なんだったかな、」
「うちは現国、物理。」
「眠ぃー。って、課題出てんじゃん、物理!!」
「俺やってねー!!泉に期待してたのに!!」
「「逃げられた!!」」

「三橋は?」
「え、う、俺は、遡羅に・・・」
「あー、役得だよねー、三橋って。」

「「泉のバッカヤロー!!!!」」


「紅條に言わないのは、やっぱ泉が怖いからだよなー。」
「う、うん。」

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